
私、櫻田の仕事の取引先の社長が亡くなり、奥様にお会いした時に、
”趣味のオーディオについていろいろお話がしたかった”と申し上げたら、
”お好きなら目ぼしい物は無いけど欲しいものがあれば持って行っても良い”とおっしゃる。
部屋をのぞいたら、無骨で奇妙なスピーカーが、
おおっ!長岡鉄男設計スピーカーの最高峰スーパースワンではないか!
亡くなった社長は几帳面で技術力のある職人さんで、丁寧に作られた物である事はひと目でわかる。
ユニットは、フォステクスFE108EΣ。
他にもYAMAHA NS1000(メインスピーカーはパイオニアのEXCLUSIVEだったらしい)もあるとのことだが、私には鳴らしきる自信がない。
希少性と、実は長岡ファン(過去FE203バックロード自作、現在スパイラルホーン所有)であり、当会の絶好の題材と判断し譲ってもらった。
もうこれ以上スピーカーは要らないはずであったが、これもご縁か。
これからこういった事情で名器が次々と出てくるのでしょうか、
当会のメンバーもほぼ私より年上だし・・
自宅では、当会でも好評いただいたADAM F7があり、レンジの広さ、情報量では圧倒的に分があるのだが、
スワンの独特な骨太で存在感のある音(特にレコードでのコルトレーンが顕著)に驚き、毎夜LPレコード三昧という始末。
今回は主催植木氏の金田式プリアンプのフォノイコライザーの試聴もあり、ジャズの王道的LPを持参。

プレーヤーはM氏のテクニクス(型番また失念~)をコンリートで挟み込み、重量を増して振動対策したもの。
カートリッジはデノンDL103R。
名器DL103の発電コイルに純度99.9999%(6N)の高純度銅を採用したデラックス版?
オーディオ的クオリティよりも音楽を楽しめるスピーカーと思い、ジャズの定番レコードを堪能しようという形に。
マル・ウォルドロン「レフト・アローン」
たいした音質ではないですが、左チャンネルのジャッキー・マクリーンがむせび泣く!
コルトレーン「クレッセント」
「ワイズ・ワン」機器のことを忘れて音楽に没頭!
ブルーベック「TAKE5」
ホールで録ったであろう、バスドラのズシーンもそこそこ再現。
ということで古いアコースティック系の音源はまずまず。
他のスーパースワンと比べても、よく鳴る固体だとの評価も。
10cmフルレンジ1発でこの会場でこれだけ鳴るだけでも凄いことだと思います。
しかしデニス・チェンバースの重低音はやはり無理。

後半は植木氏のスピーカー。
百均の木製酒枡に入れたスパーツイーターを鉛板でデッドニング。
これで繊細さも加わる。
チェット・ベイカー「チェット」をアナログ盤、2種類のCDで聞き比べる。
アナログ盤とCDはそれほど差が無かった。(DACが良いから?)
むしろ2種類のCDが明るく軽い系と暗くて重い系の違いがあった。
アナログLP対CDという対決構図がありがちですが。
こうなるとレコードのコンディション、CDのミックス等変動要素が多く、一概に優劣をかたれませんね。
状態の良いオリジナル盤をきちっと調整されたシステムで鳴らすのが一番ですけど、実際はねえ・・

一旦、お開きになった後、再びスワンを聴いた。
大音量によってこなれて鳴りがよくなったような。(いつものことですが、最後に良い音が・・)
お遊びで植木スピーカーのスーパーツィータを載せてみた。
輪郭がはっきりしたのか低音が改善され、新しい録音にも対応するようになった。
これはもう一度皆さんに聴いてもらうべきだとS崎師範。
ということで次回(10/21)は、
スワン+ツィータ(間に合えば、パイオニアのリボンツィータ登場?)
と植木スピーカー+サブウーハーの予定。